コーヒーにフォースウェーブは来るか

気になるニュースがありました。

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インドにおけるD2Cコーヒー業者さんのお話。

インドはコーヒー生産国として有名ですが、その生産量の過半は輸出用です。一方の国内市場もネスカフェやスタバといった世界企業がリードしていて、インド国内市場をターゲットに新規参入するのはなかなか骨が折れる様子です。

そこに、デリーの地元企業「Rage Coffee」は切り込みを狙います。記事によれば当社はD2C戦略を得意としてオンライン・オフラインを巧みに使いつつ、コロナ禍で急成長を実現しているそうです。

D2C(Direct to Consumers)といえば、データを駆使して、消費者と長期的に良好な関係を築く戦略です。主にミレニアル世代をターゲットとして、中間業者を排した直接取引によって世界観を直接的に消費者に伝えるところに強みがあります。

コーヒー産業において、これまで多くの企業は、世界観(あるいはブランディング)の構築は物理的な店舗ありきでした。実店舗を多く持つ企業に一日の長があったのはそのためですが、ご存知の通りのコロナ禍で中々苦しいです。

実店舗のカフェ業態が苦戦を強いられる中、Rage Coffeeのようなオフラインでの戦いも得意な企業に勝機はありそうです。いわゆるOMO(Online Merges with Offline)、下の著書ではアフターデジタルという言葉で語っているとおりです。

コーヒーの文脈でいえば、OMOの行き着く先には「おうちコーヒー」があることは間違いないでしょう。

もっとも、単に「カフェで飲めないからおうちで飲む」のではなく、「おうちコーヒー」の魅力を消費者に気づかせられるかにポイントがあるように思います。

これをD2C的コンテクストでいえば、「おうち」にRage Coffeeの世界観を広げられるかが鍵でしょう。記事を引き取るならば、この試みが成功すれば「おうちコーヒー」はコーヒーのフォースウェーブとなりえます。

いまだサードウェーブの議論すらまとまっていない状況なのに、フォースウェーブというのは少し気が早いかもしれません。しかし一方で、世界情勢の後押し、それからデータが持つ可能性を考えると、(それを第四波と評価するかは別として)ありえない話でもないかなと思います。

既存のコーヒー業界がテクノロジーをめっちゃ使ってデータをガンガン回してきたかと問われれば、多くの人にとっては首肯しづらいのではないでしょうか。これはすなわち、伸びしろが無限に広がっているということです。Rage Coffeeの行く末はなかなか気になるところです。

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